【ドゥカティ】のバイクを簡単に紹介します今回は《Panigale V4R》です

ドゥカティ

今回はWSBKに参戦するマシンのために市販されたパニガーレV4Rです。排気量をパニガーレV4の1103ccからWSBKのために998ccにしたエンジンを搭載したモデルです。

そのV4Rについて紹介します。

パニガーレV4 Rは、ドゥカティ・ワールド・スーパーバイク・チームのパフォーマンスとテクノロジーを公道で乗れるようにしたモデルです。これはモデル名に「R」 をつける時はドゥカティのレースバイクと同じ技術で作られたモデルを示すからです。

221psを発するエンジンで193kgのV4Rは、1000ccスーパースポーツバイクの中で最高のパワーレシオは0.87kg/psで圧倒的な加速を実現しています。

ドゥカティV4Rのエンジンは、レース用に開発されたものです。90°V字型バンクに4気筒、デスモドロミック、シングル逆回転横型クランクシャフトを搭載しています。アクラポヴィッチ製エキゾーストを装着すれば、最高出力はなんと15,500rpmで234psとなり、さらに驚異的な数値となります。

また、パニガーレV4の湿式クラッチに代わり、小型・軽量な乾式クラッチを採用しています。

V4Rのエンジン

パニガーレV4Rの90°V4エンジンは、221ps/15,250 rpm、最大トルク11.2Nm/11,500rpmを発揮し、高回転数はなんと16,000rpm、6速では16,500rpmです。

エンジン・サイズが105cc減少したにもかかわらず、最高出力とトルクが向上しています。エンジンサイズを縮小するため、1103ccエンジンと同じ最大ボア(81mm)を維持しながら、ストロークを53.5mmから48.4mmに縮小し、新しい鍛造クランクシャフトによって1100kgの軽量化を実現しています。また、シングルコンプレッションリングとオイルリングを備えた成型アルミニウム製ピストンや、1本あたり100gの軽量化を実現した4本のチタン製ピストンロッドも新たに採用されています。

デスモセディチ・ストラダーレRは空力学的に最適化されて、直径が4mm大きくなった56mm相当の楕円スロットルボディを通して、シリンダーに空気が供給されます。あらゆる回転域で吸気量を最大化するため可変高エアインテークファンネルも接続されています。さらに吸気システムには、高透透過性のエアフィルターも組み込まれています。ツインパルスと呼ばれるドゥカティV4独自の燃焼順序はそのままに、パニガーレV4RはMotoGPマシンであるデスモセディチと同様に、その排気音はまさにレーシングエンジンそのものです

パニガーレV4RにはMotoGPと同じように乾式のSTM EVOーSBKクラッチを採用しています。

乾式クラッチは湿式クラッチに対して、小型軽量で、外径が小さく、しなやかにディスクをスプリングでロックすることができます。クラッチの直径が小さく軽いので回転数を変化させたときの抵抗が少なく、「乾式」なので湿式クラッチとは違い、クラッチがオイルに浸かっていないのでオイルによるブレーキ効果を受けないので、バイクの加速が良くなります。また、サーキット走行では、アグレッシブなシフトチェンジでもウィリー防止効果が高く、オフスロットル時のエンジンの流動性も向上しています。

さらに、オプション設定されるセカンダリースプリングを変更することで「機械的」なエンジンブレーキの度合いを変更することが可能です。乾式クラッチディスクの摩耗によって生じる摩耗カスが潤滑経路に混入しないためエンジンオイルの汚れが少なくなります。

ドゥカティの乾式クラッチの “メカニカル “なサウンドは伝統的にレースの世界で使われていて、V4Rのも採用されています。レーシーなメカニカルなその音は、情熱的なドゥカティストの耳に心地よい音楽となることでしょう。

V4Rのサスペンション

パニガーレV4Rは、フロントにオーリンズ製のTiNコーティングが施された43mm径加圧式NPX25/30フォーク、 リアにはオーリンズ社製TTX36ショックを装備しています。

また、オーリンズ製ステアリングダンパーは、V4Sの電子制御から機械式に変更されています。従来のシステムに比べ、加圧方式で オイルキャビテーションのリスクを最小限に抑え、より良い吸収を実現しました。

V4Rのエアロダイナミクス

パニガーレV4Rはアルミニウム製燃料タンク、カーボンファイバー製フェンダーやウイング、そしてマルケジーニ製鍛造アルミニウムクホイールを装備しています。
最大の特徴は270km/hで+30kgのダウンフォースを生むエアロダイナミクスです。前輪の “浮き “が少なくなるので高速走行時にウィリーしにくくなります。

V4Rの電子装備

パニガーレV4 Rは、軸慣性プラットフォーム(6D IMU – Inertial Measurement Unit)をベースに、プロライダーでも最適な介入となるように介入ロジックを見直し、すべてのライディングフェーズを制御する最新世代のエレクトロニクスパッケージを搭載しています。

パニガーレV4 Rの電子制御は次のようなものがあります。

コーナリングABS EVO

ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)EVO 2

ドゥカティ・スライド・コントロール(DSC)EVO

ドゥカティ・ウィーリー・コントロール(DWC)EVO

ドゥカティ・パワー・ローンチ(DPL)

Ducati Quick Shift up/down (DQS) EVO 2

エンジンブレーキコントロールEVO (EBC) EVO

ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)EVO 2は、新しい「予測的」制御戦略により、コーナー出口パワーのマネジメントを大幅に改善しています。リアスピンの瞬時値だけでなく、その変化にも対応することで、グリップの低下をより迅速に察知し、スリップの急増を抑えて、より迅速かつ定期的な介入を可能にします。このことが、より グリップレベルが高い場合でも、コーナー立ち上がり時の車両安定性を確保します。また、加速度も向上し、理想的な状態から脱却することができます。フライングラップやロングランでのパフォーマンスを向上させています。

DQS(Ducati Quick Shift up/down)EVO 2は、シフトアップ時間を短縮し、サーキット走行に代表される1万回転を超える高負荷時のスポーツ走行に適したシフトチェンジを可能にしています。

バンク角などの情報を記録し出力するドゥカティ・データ・アナライザー+」(DDA+)も装備し、GPSでスタートとゴールを自動で判断するラップタイム機能もあります。

テクニカルスペック

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